中日が悲劇に見舞われた。バルデスの力投で終盤までリード。2-1で迎えた9回は守護神の田島慎二投手(27)を送ったが、2死一、二塁から阿部に逆転サヨナラ3ランを浴びた。

 塁は詰まっていても、好調阿部と素直に勝負する場面ではなかった。バッテリーにもその意識はあったが、カウント1-1からボール球にしようとしたスプリットが少し浮いたところを痛打された。田島は「ワンバウンドでもよかったのに、狙ったところより高くなってしまった」と唇をかんだ。

 実は昨年9月27、28日のシーズン最後の2連戦も東京ドームで連続サヨナラ負けしていた。同じ舞台でリベンジを期した開幕カードだったが、2連敗で悪夢を引き継ぐような格好になった。また、接戦を取り切れない昨年からの課題も浮き彫りになった。

 森繁和監督(62)にとっては、昨年の監督代行時代から続く連敗は8になった。正監督としての“初日”を目前で取りそこねた指揮官は「余分な走者を出すから9回にクリーンアップに回ってくる。まだ2試合だけど、これが生きてくれたらな」と前向きなコメントを残した。【柏原誠】