開幕から4連敗だった中日は延長12回を戦い抜いての同点。何とか最後の1点は防いだ。だが、最後の1点も取れなかった。捕手3人を含め、野手全員を使い切る総力戦だった。

 「負けなかったね。1つ勝つのは難しい。分かっているよ。それが野球でしょ」。終了直後、森監督はそう話した。

 初白星はこうも遠いものか。1点リードの9回。守護神田島の制球が乱れ、連続四球で1死一、二塁。鈴木の左翼への打球を藤井が好返球し、1度は本塁アウトの判定が下った。だがリプレー検証の結果、覆った。「俺らはどうしようもない。リプレーでセーフならね。あそこでよく1点で終わった」。ただ深刻な課題が残った。指揮官は、1日巨人戦の逆転サヨナラ負けに続く救援失敗だった田島の配置転換も検討すると明かした。

 ベンチ内には2年前の15年、開幕3連敗後に7連勝を呼んだフグの置きものを久しぶりに持ち込んだ。黒星を回避し、少しは効果があったか。「知らないよ。だって(投手の)福がいないんだもん。どっかに行って、福を持ってきてくれよ」。長期戦の疲れはあるはずだが、笑って元気のあるところを見せた。【柏原誠】