巨人内海哲也投手(34)が今季の本拠地での登場曲に、自身の子供が通う横浜市内にある幼稚園の“パパ友”が作曲した新曲を使うことが10日、決まった。先発予定の12日広島戦(東京ドーム)で初披露される。5日DeNA戦(横浜)からの自身2連勝に向けた後押しを受け「ドームで流れるのが楽しみです」と頬を緩めた。

 昨年末の“パパ会”がきっかけだった。幼稚園仲間の父親たちで食事をした際「みんなで登場曲を作ろう!」と盛り上がった。プロドラマーの父親がおり、作曲を買って出た。約2分の、スピード感あふれロック調の楽曲に仕上がった。後半にはパパ友の「う・つ・み!」という魂のシャウトが加わり、ラストは内海の4人の子どもによる「パパ、がんばれ~!」の大合唱。パパ友が作った楽曲を登場曲に使用するのは異例中の異例。完成音源を聴いた内海は「素晴らしい曲だと思うし感激しました。頑張らなきゃいけないです」とクオリティーの高さに驚き、奮い立った。

 ここ3年は1ケタ勝利と苦しみ、昨年12月には右胸骨の内側にできた腫瘍の摘出術を受けた。苦境にもくじけずに鍛錬を積む左腕の姿は、同世代のパパたちの胸を打つ。曲のタイトルは「Nobody can catch up with No26」で、意味は「誰も背番号26(内海)を捕まえられない」。家族や仲間ら、多くの思いに背中を押された内海は、首位広島にも捉えさせない。【浜本卓也】