悪夢の1発に顔をしかめた。オリックスのドラフト1位山岡が、プロ初登板初先発で悔しい黒星を喫した。T-岡田の先制3号ソロでリードした直後の7回、ロッテ福浦を四球で歩かせた。そして無死二、三塁から細谷に逆転3ランを被弾。余力を残して無念の降板となった。

 「1点を守りきりたい気持ちが裏目に出てしまった。6回まではイメージに近い。初登板は人生で1度。投げていて楽しかった」

 得意のスライダーを軸に6回まで三塁を踏ませず。ただ球団新人では89年酒井勉(現育成コーチ)以来の初登板勝利は逃した。

 スタンドには広島から駆けつけた両親が観戦。父秀治さん(50)はこの日の朝にLINE(ライン)で息子に「いつも通りのピッチングで楽しんでこい」とエールを送った。「返事は『はい』だけでしたけどね。昔から緊張しないタイプ。平常心でやってくれたら試合はつくってくれると思う」と期待を寄せていた。

 高3夏の甲子園出場後に映像を見たレンジャーズ・ダルビッシュからツイッターで絶賛され、注目が高まった。プロ初登板でも実力を大いに示した。福良監督は「十分にやってくれた」とたたえた。いったん出場選手登録を抹消されるが、1勝はすぐに訪れるはずだ。【大池和幸】