楽天の1番打者、茂木栄五郎内野手(23)が3安打1得点の活躍で、首位キープに貢献した。2-2の5回、無死から二塁打で出塁し、続くカルロス・ペゲーロ外野手(30)の適時二塁打で、決勝のホームを踏んだ。茂木は今季初の猛打賞で打率を3割4分9厘に上げ、好調の打線を引っ張る。また先発の釜田佳直投手(23)が5回2失点で今季初勝利を挙げ、楽天の快進撃はまだまだ続く。

 瞬時の好判断で、茂木が決勝点を演出した。同点にされた直後の5回裏、先頭の茂木が、カウント2-2から日本ハム吉田のフォークを右中間にはじき返した。「(中堅手の)岡さんの体勢を見て(二塁へ)行こうと思った」。岡の捕球姿勢が半身であることを確認すると、迷わずトップスピードで二塁を陥れた。無死二塁から、ペゲーロが右中間へ適時二塁打を放ち、決勝のホームを踏んだ。「点を取られた後の先頭だったので、ペゲーロにつなげられてよかった」と顔をほころばせた。

 リードオフマンとして打線を引っ張る。この試合も初回に左前二塁打で出塁。3回には1死二塁から再び左前打でチャンスを広げ、二、三塁からペゲーロの一ゴロの間に同点にした。5回の安打も含め今季初の猛打賞。「4打席目と5打席目ではチャンスで打てなかった。負けてもおかしくなかった」と反省したが、得点はリーグ1位タイの11と、貢献度は絶大だ。「ペゲーロが高い確率でホームにかえしてくれる。いい形で点が取れているので継続したい」と、打線の起点として責任感も増している。

 慣れ親しんだ“相棒”も茂木の活躍を支える。今季から、早大時代に使用していた「赤バット」で快打を連発する。本人は「戻した理由は特にないんです」と言うが、大学3年の秋に5割1分4厘の高打率をマークし、東京6大学リーグの首位打者に輝いた。今季も3割4分9厘、3本塁打、10打点と赤バットとの相性のよさは抜群だ。

 13安打3得点と拙攻が目立ったが、6回から福山、森原、ハーマン、松井裕の「新・勝利の方程式」が無失点に抑えて勝利。梨田監督は「こういう試合を取ると大きい」とうなずいた。2位西武とのゲーム差は2。トップの座を明け渡すつもりはない。【田口元義】