立て続けにアクシデントに見舞われた阪神が、今季4度目のサヨナラ負けを喫した。4回1死一塁で、先発のルーキー小野泰己投手(23)が右足の異常を訴えて降板。緊急リリーフの石崎から岩崎、高橋とつなぎ勝機をうかがったが、9回に5番手桑原がサヨナラ打を浴びた。この日は抑えのラファエル・ドリス投手(29)が試合前に体調不良を訴えて病院に行くアクシデントも。継投に狂いが生じた影響か、連勝が4でストップした。

 力のない打球は無情にも、センター前に落ちた。歓喜に沸く敵地。桑原は足取りも重く、三塁ベンチに戻った。今季4度目のサヨナラ負け。「結果がすべてなので…」。セットアッパーは今季2敗目の現実を受け止めた。同点で迎えた9回裏。先頭の山崎に左翼線二塁打を許したが、敬遠の後は併殺で2死までたどりついた。5番リベロとの対決は完璧に打たれたわけではなかったが、運がなかった。

 ゲームプランの狂いが中継ぎ陣にのしかかった。先発小野がアクシデントに見舞われた。1点リードの4回に先頭山田からの3連打などで逆転を許した。8番奥村の初球を投じた直後、自らタイムをかけた。右足ふくらはぎがつってしまった。ベンチで治療を施し、再びマウンドに戻った。しかし投球練習を1球行っただけで続投を断念。「こういうことがあると、いけない。失点しても、点を取ってくれたので、何とか防がないといけなかった」。4回途中を4失点で緊急降板。前回に新人投手では球団ワーストとなる開幕7連敗を記録。12度目の先発は自らのコンディション不良に泣いた。

 小野の早期降板は誤算だった。試合前には守護神ドリスの姿がなかった。体調不良のため、練習を欠席し、都内の病院に向かった。この日は欠場。リリーフを1枚欠いた状態で臨んだ。先発に1回でも長く投げてほしい状況で、ダブルパンチとなった。石崎を1回2/3、岩崎を2イニング起用するなど、やりくりしたが、最後は桑原が力尽きた。金本監督は「ポテンヒットやからね」とかばった。メッセンジャーの離脱など先発陣が苦しい中、リリーフに負担がかかる。最多登板は桑原の51試合。岩崎、高橋らも50試合登板に近づいている。指揮官は「どこのチームもピークだと思う」と疲労蓄積を気にかけた。

 6連戦の初戦から中継ぎ4投手を起用。これが後に響かなければいいが…。広島が敗れただけに、この日のサヨナラ負けは痛かった。【田口真一郎】