逆転勝ちだけじゃない。西武が先行逃げ切りで、今季メットライフドーム負けなしの9連勝を飾った。1回に浅村栄斗内野手(27)が5号2ランを放ち、打線に着火。山川の7号3ランなどで5回までに大量11得点を奪った。ここ3戦は3点差以上をひっくり返してきたが、序盤で試合を決め、本拠地での開幕連勝球団記録を更新。主将の1発を号砲に、破壊力を見せつけた。

 振り切って左翼席に突き刺した。敵失で1点を先制した直後の1回無死一塁。浅村が直球をしばき上げた。2戦連発の5号2ラン。「弾道が低かったのでどうかなと思ったんですが、手応えは完璧だった。つなごうという意識でしたが結果、ホームランになって良かった」とうなずいた。

 この1発から猛打ショーの幕が開いた。5回までに10安打を集めて11得点。球団初の4試合連続9得点以上を中盤で決めた。「本当に厚みのある打線。すごいです。どの球団よりも破壊力があると思うし、つなぐ野球も出来ている」と評したが、自身もその一翼をしっかり担った。5回の適時打を含め、連日の猛打賞で3打点。3番打者としての存在感を示した。

 下からの突き上げを力に変えている。打ちまくる打線を「プレッシャーですよ」と明かす。本塁打&打点でチームトップの山川を筆頭に好調な攻撃を支える源田、森、外崎らは後輩。頼もしさを感じると同時に、主軸を張り続けてきた矜持(きょうじ)がある。

 浅村 3割打者に囲まれて、自分も打たなきゃいけないと、より思ってます。後輩には負けられないっていうのは、やっぱりありますから。

 打率を3割ジャストに戻して迎える次カードは敵地での2位ソフトバンク戦。「今年のテーマ。去年はヤフオクドームで全く勝てなかった(1勝11敗)。しっかり勝たないと優勝出来ない」と表情を引き締めた。

 目標に掲げるのは優勝のみ。首位にも連勝にも、そして連日上がったお立ち台にも、浮かれることは全くない。「(打撃は)浮き沈みがないようにと思ってやっている。今日は今日。しっかり切り替えていかないと。調子に乗らず頑張ります」。節目のプロ10年目。力強い主将が連勝街道を引っ張っていく。【佐竹実】