巨人は後がなくなった。1点リードの8回。2イニング目のセットアッパー畠が2死から四球を出してしまう。追い込むも代走上本に盗塁を決められ、代打新井に低めフォークを拾われて同点の適時二塁打。赤く染まった敵地にのみ込まれた。四球後、菊池に決勝3ランを浴びて、連敗が決まった。アドバンテージを含め、0勝3敗。CSでここから逆転したチームは存在しない。2年目右腕は「抑えられなくて申し訳ない」と言葉を振り絞った。

6回無失点の田口に代え、勝利の方程式を投入した。約半年間、未勝利の左腕ではなくベンチが責任を負って継投に出た。CSファーストステージ初戦では7回が畠、8、9回が山口俊。この日、8回は打線が下位に向かうこともあり畠続投も、裏目となった。高橋監督は「勝っている展開の終盤は2人に託すというのは僕自身が決めていた。(畠は)最後までいってほしかったが、引っ張ったのは僕」と責任を明確にした。

風も吹かない。9回、代打阿部の同点3ランと思われた大飛球は無風で約2メートル届かず。次打者で追い風が吹くなど運もない。指揮官は「まだ終わったわけじゃない。とにかく明日勝つこと」と“ジャイアンツ・キリング”へ執念をたぎらせた。【広重竜太郎】