「ラオウ」ことオリックス杉本裕太郎外野手(27)が、特大の1発で存在感をみせつけた。20日の紅白戦に白組の「5番右翼」でスタメン出場。4点を追う4回2死に、榊原の真ん中高めの直球をひと振りで捉えた。

左翼の丘を越える場外弾で、アピールに成功。「久々に会心の『剛掌波』が出ました」と胸を張った。

剛掌波とは、漫画「北斗の拳」のラオウやケンシロウなどが繰り出す北斗神拳の技の1つ。手のひらから圧縮された闘気を撃ち出し、相手の体に打ちつけるもの。それに劣らない? 破壊力抜群の一撃だった。西村監督も「完璧だったんじゃないかな。持ち味を出してくれたと思う」と評価した。

昨季は1軍出場7試合も、7月にはプロ野球史上8人目の2戦連続満塁弾を放ったパワーの持ち主。9月2日西武戦で死球を受けて左手を骨折していた影響もあり、キャンプは2軍スタート。米大リーグで17年に52本塁打を放った身長2メートル超で体重約130キロのヤンキースのアーロン・ジャッジを目標に、筋肉アップも継続中。この日は着実にパワーをつけた成果を披露した。

本塁打の直後にガッツポーズを決めた杉本は「今年は野球を楽しみたいと思っているので」と語った。会心のアーチが1軍昇格への足がかりとなるか。パワーアップした新生ラオウが今季は開幕から暴れ回る予感だ。【古財稜明】