あるぞ、捕手中谷! 阪神矢野燿大監督(50)が「第3の捕手」に中谷将大外野手(26)を指名した。左足薬指骨折の梅野、坂本の捕手2人制を11日から採用している。緊急時には捕手経験のある中谷がスタンバイ。浮いた1枠を投打に有効活用し、Bクラス脱出を図る。16日からヤクルト、巨人の上位球団との6連戦。借金3からの逆襲ウイークが始まる。

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矢野阪神が攻めの用兵で上位球団との6連戦に挑む。11日から梅野&坂本の捕手2人制を採用しているが、今後も継続する方針だ。矢野監督は「3人おっても出えへんやん。それよりは使える駒をやっぱり置いておきたい。リュウ(梅野)自身も、もちろん痛いのもある中で、やるっていう姿を見せてくれている」と説明した。その上で、緊急事態発生の際の「第3の捕手」の名前を明かした。「もちろん、最後の場合は中谷いくしかないよね」。

通常は捕手の1軍枠を「3」に設定している場合が多い。好機に捕手に代打を送るケースがあり、3人制のほうが積極的に選手を起用できる。しかし今季は梅野が打撃好調で、打率3割7分はリーグ3位。途中交代する可能性が低く、浮いた捕手の1枠を投手野手の両面で有効活用できる。ただし梅野は左足薬指を骨折しており、負傷などのアクシデント発生に備える必要はある。そこで浮上したのが、中谷の緊急マスク案だ。入団当初は捕手登録で、打力を生かすために外野にコンバートされた経緯がある。公式戦の捕手出場は1度もないが、3日の巨人戦では梅野が負傷離脱したため、試合中に投球練習の捕手役を務めた。

セ・リーグ5球団との対戦は一巡し、16日から開幕カードで勝ち越したヤクルトとの3連戦に臨む。スーツ姿で愛媛・松山行きの飛行機に乗り込んだ中谷も「やれることをやるだけです」と表情を引き締めた。ヤクルト、巨人と上位チームとぶつかる1週間。矢野阪神、覚悟の逆襲が始まる。【桝井聡】