打っても打っても勝てなかった。ヤクルト山田哲人内野手(27)の昨年だ。35本塁打したのに、勝利を呼べなかった。同選手に本塁打が出た試合は9勝23敗1分け(1試合2本が2度)の、勝率2割8分1厘だった。トリプルスリー3度の男が、勝率「アラサー?」というのは寂しい。

ヤクルトの本塁打上位5人を見ると、村上が18勝16敗、バレンティンが18勝12敗、青木が10勝6敗、雄平が7勝5敗。ほかの4人はいずれも勝率5割をキープしている。「じゃまだ哲人?」といいたいぐらい、低率が際立った。

5月10日の9号から6月24日の20号までは11連敗となった。これは93年の小早川(広島)以来で26年ぶりの珍事。7月6日の中日戦で大野雄から21号の同点本塁打を放ち、どうにか連敗が止まった。「これはもう止まった(困った?)もんだねえ」。

大敗の中で焼け石に水、の1発が多かった、というのではない。前述の中日戦を含め、同点本塁打が両リーグ最多の10本もあった。結果は1勝9敗。奮闘努力のかいもなく涙する日が続いた。「男はつらいよ」。セ界の山ちゃん? 今年も顔で笑って、打ちまくるしかない。【米谷輝昭】