キャリアハイ、いただいたわよ! DeNAの2年目右腕・大貫晋一投手(26)が、昨季を上回る自己最多の7勝目を挙げた。

変化球を低めに集める持ち味の投球で6回2/3を85球、3安打1失点。TBS系人気ドラマ「半沢直樹」のファン。片岡愛之助が演じる金融庁検査官で主人公半沢の宿敵となる「黒崎検査官が好き」という右腕が、27日夜の最終回の放送を前に「球」をしっかり握って投げるチェンジアップを軸に相手の急所を攻め、顧客(ファン)のハートを黒崎並に「わしづかみ」。チームに貯金1をもたらした。

自己最多となる7つめの勝利球を握り締めた大貫が笑顔を見せた。「シーズン前から昨年以上の成績を目標にしていたので、達成できてすごくうれしいです。野手のみなさんに助けていただいて感謝の気持ちでいっぱいです!」。

「半沢直樹」に登場する黒崎ほど強くはないが「球」を握るように投じるチェンジアップが切り札となった。これまで落ちる球にスプリットを使っていたが「ピッチングに緩急がないと感じていて、投球に奥行きをつける意味でも使いました」という。チームには浜口ら使い手も多い球種で「いろんなピッチャーに聞きながら、試行錯誤して自分の形にしました。(握りは)あんまり挟みすぎないようにしています」という。奪三振2つはチェンジアップ。「三振が欲しい場面や、それでカウントをとれれば。満足しています」とうなずいた。

社会人経験もある右腕は、昨冬にオーストラリアリーグへの“出向”も経験。左打者へのカットボールを磨いて帰ってきた。開幕ローテにこそ入っていなかったが、チームトップの7勝目を挙げる活躍。ラミレス監督も「今日でキャリアハイ。このペースなら10勝も狙える。セのどこのチームにもすごくいいピッチングをしているし、完全にローテーションで機能しているね」と最大級の評価を与えた。

「半沢直樹」は放送を終えるが、シーズンはこれからも続く。黒崎好きの大貫が「球」をがっちりと握り締め、チームにさらなる利益をもたらしていく。【鈴木正章】

◆急所づかみ ドラマ「半沢直樹」で、片岡愛之助が演じるオネエ言葉の金融庁検査局主任検査官の黒崎駿一が繰り出す“必殺技”。指示に対して難色を示したり、行動に不手際のある男性部下に対し、股間を思い切りつかみあげ、顔を近づけて念を押す。