日本ハム2年目の立野和明投手(23)がチームの連敗を「3」で止めた。オリックス19回戦(京セラドーム大阪)に先発し5回7安打2失点、無死四球で3勝目を挙げた。3年前、一躍プロ注目選手になった日本選手権と同じマウンドで、この日も好投。シーズン途中、先発ローテーションの一角として頭角を現した社会人出身右腕が、終盤に頼もしさを見せてきた。

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験の良い舞台で、3年ぶりに存在感を放った。立野は「ここで1つ勝てたのは、僕の中ですごく大きいのかなって思います」と喜びに浸った。5回7安打2失点、四死球なしで3勝目。「今年は何とかチームに貢献したいと思っています」。プロの道を切り開くきっかけになった京セラドーム大阪で、進化を刻んだ。

記憶に新しい18年の11月。東海理化時代、日本選手権で野球人生初の全国大会のマウンドに立った。室蘭シャークス戦で当時の自己最速150キロを計測。タイブレークを投げ抜き12回10奪三振で4安打1失点で完投した。「そこが(プロへの)スタートだと思います」。日本ハムのスカウトも見守っていた中、鮮烈な印象を残した。

この日は最速149キロの直球を軸に、リズムを心掛けた。「何回か(150キロを)出そうとしたんですけど。(スピードガンに)嫌われているんですかね」と苦笑い。当時を思い出し奮い立ったが、プロ最速更新とはならなかった。気合が入るには理由があった。投げ合った田嶋は、社会人時代に憧れていた1人。「1週間くらい前から(登板日を)調べて、木曜日は田嶋さんが来るってなって『よっしゃ、やったるか!』って」と燃えていた。

登板前には散髪し、襟足を中心に大胆に2ミリに刈り上げた。「帽子をかぶったら丸刈りに見える」のがポイントのサッパリヘアーに変身。「気持ち新たにって感じです」と登板間隔が中10日空き、身も心も磨いた。両親、加藤2軍投手コーチと渡してきた勝利球。3勝目は「島崎さん(2軍投手コーチ)かな。基本的にあげることにしています、今までお世話になった人に」と還元していくという。等身大が魅力の2年目新戦力が、のびのびと頭角を現してきた。【田中彩友美】

▽日本ハム栗山監督(立野について)「しっかりと自分のボールを投げられていた。リズムがいいっていうのもあるし、テンポいいし、先発ピッチャーとしては、ああいう形で仕事をしてくれたと思う。良くない時に、どういう風に投げていくのかっていうのを課題としてある」