<横浜4-3ロッテ>◇8日◇横浜

 横浜がようやく連敗を7で止めた。長いトンネルを抜け出す1勝をたぐり寄せたのは、選手たちの「意地」だった。

 先発は三浦大輔投手(35)。田代富雄監督代行(54)が打撃コーチ時代、打線が打てなくても腐ることなく投げていたエース。「いろんな意味で強い選手。ものすごく信頼している」という背番号18にマウンドを託した。

 5回までに3失点。気持ちの強さを見せたのは、6回だった。井口の打球が右すねを直撃。いったんはベンチに下がったが「あそこだけは絶対投げ切る」と続投を志願する。指揮官は「結果はどうなっても、三浦の意志を大事にした」と応じ、右腕は見事後続を断った。

 打っては北川が5回にプロ初本塁打となる逆転満塁弾を放った。7年目の30歳が「自分の野球人生をかけた」という1発。ミスを必ず取り返そうとするしぶとさから、田代代行が2軍時代に付けたあだ名は「マムシ」。この日も1回のバント失敗を帳消しにした。

 選手たちが意地でつかみ取った勝利。監督代行は「苦しい状況の中、苦しんで勝った。これをきっかけにする」と力強い言葉を口にした。

 [2009年6月8日22時33分]ソーシャルブックマーク