<広島2-5中日>◇3日◇マツダスタジアム

 中日の岩瀬仁紀投手(36)が今季24セーブ目を挙げ、プロ野球史上初の通算300セーブを達成した。3点リードの9回に登板し、三者凡退で試合を締めくくった。

 ただひたすらに左腕を振り続け、日本プロ野球初の通算300セーブにたどり着いた。リードを守って当然、負ければ罵声(ばせい)を浴びる厳しい役回りで、抑えに定着した2004年からこつこつと積み重ねてきた。

 04年から昨季までの7年間で5度、40セーブ以上を記録した。通算286セーブの高津臣吾(元ヤクルト)は1度もなく、同252セーブの佐々木主浩(元横浜)も1度だけ。岩瀬の成績は突出している。技術はもちろん、けがをしない体と強い精神力、それを支える節制と自己管理。すべてを高いレベルで保った証しだ。

 今季21セーブ目を挙げ、大台にあと3とした8月25日のヤクルト戦。2試合連続で9回を3者凡退で抑えた後、300セーブについて「一気に3ついけるわけでもない。そのうちできる」と迷いなく言った。シーズン序盤に比べ安定感を増した要因について「うーん、何だろうね」と思案し「抑えて結果を出し続けているから、精神的に楽な部分もある」と続けた。

 球宴後の後半戦は失点1で、一時は3点台だった防御率も1点台に上がった。「勝って試合を終えること」を何より大事にする守護神は、セーブを刻み続けることで好循環を生んでいる。

 岩瀬は愛知・西尾東高から愛知大、社会人のNTT東海(当時)を経て1999年にドラフト2位で中日に入団。プロ13年目の今季は6月16日のソフトバンク戦で通算287セーブに到達、プロ野球記録を更新した。