<オープン戦:中日3-4日本ハム>◇2日◇北谷

 悩める左腕に光明が見えてきた。日本ハム武田勝投手(29)が先発し、5回を1安打無失点の好投をみせた。投球フォームの改良に試行錯誤してきたが、しっかり結果を残し「ホッとしすぎて、面白いことが言えません」と報道陣を笑わせた。

 直球の切れ、制球とも抜群で、変化球も生きた。「無駄だった」と1四球を反省したが、3三振を奪い、許した走者は2人だけ。梨田監督は「打者の崩れ方を見ていても、ボールになる変化球を振らせていたね。見ていて安心した」と目尻を下げた。

 実戦初登板だった前回2月23日ロッテ戦で3回4失点を喫した。試合をビデオでチェックし、再び投球フォームを総点検。「下半身を使うフォームで初心に帰って」と、やや猫背気味になる社会人時代のスタイルに戻した。バッグに入っていた当時の写真も重要資料になった。同時に、投球フォームから打者に球種が盗まれる対策にも着手した。

 キャンプ終盤は厚沢投手コーチを相手に、マウンドの傾斜を利用した個別練習で、黙々と投げ続けた。時には、宿舎の自室も練習場と化した。寝る前に、タオルを手に全身鏡に向き合いシャドーピッチングも続けた。「どうにかしたかった」。フォームのことが頭から離れなかった。

 昨年の日本シリーズ第3戦、1死しか奪えず初回5失点KOされた。憎き相手にしっかり借りを返し、悪夢はひとまず振り払った。それでも「完ぺきではないが違和感なく投げられた。これからも下半身を意識したい」と、気を緩めることはなかった。【村上秀明】