アニキが完全復活にまた一歩前進した。阪神金本知憲外野手(39)が3日、甲子園の室内練習場で手術後、初めて守備で背走練習を行った。約20メートルの距離で、軽いポップフライに背を向けてスタートを切ると、そのまま背走してボールをキャッチ。わずか5分程度だったが、これまでにはないメニューで、回復に努める左ひざの感触を一歩一歩慎重に確かめた。

 「背走?

 ぼちぼちでしょ。かばいながらならできると思う」。前日には、フリー打撃で初めて試合用の白木のバットを握ったが、ついに守備面でも実戦的な練習へと突入した。金本は当初、16日の巨人戦(東京ドーム)を初の実戦の場として想定していた。だが、ベンチ入りのみの予定だった5日の故島野育夫前総合特命コーチ(享年63)の追悼試合(対広島、京セラドーム大阪)でも、代打などの形での出場プランが浮上している。

 金本のトレーニングに帯同している石原トレーナーも「まあまあいい感じでしたよ」と順調な回復を認めた。開幕まであと24日。完全復活に向けた鉄人の過酷な復帰ロードは、いよいよ最終章へと突入した。【福岡吉央】