中日朝倉健太投手(26)が、次回登板で新球カットボールの成否を見極める。8日からの楽天2連戦(ナゴヤドーム)の間に登板することが濃厚な朝倉は7日、ナゴヤ球場で練習。今季から挑戦中のカットボールを試合で投げる方針を明かして「使えないならやめるしかない」と話した。28日の開幕まで残り3週間。オープン戦で新球への「ファイナルジャッジ」を下す考えを示した。

 朝倉が、静かに口を開いた。この日、ナゴヤ球場での練習後に次回登板のテーマについて「次は自分がやりたいことをキャッチャーに伝えたい。カットボール?

 そうですね」と話した。今季からトライしている新兵器の出来を、ナゴヤドームでの実戦で確認する。

 朝倉は、代名詞のシュートを武器に2年連続2ケタ勝利を挙げた。だがさらなるレベルアップのために、135キロ前後のカットボールにチャレンジ。シュートと逆方向に鋭く曲がり、持ち球としている120キロ台のスライダーよりもスピードがある。沖縄キャンプ中は自ら「ちっちゃいスライダー」と表現して、ブルペンで練習を重ねてきた。

 オープン戦初登板となった2日の日本ハム戦。捕手の小田に「新球の見極め」を頼んだが、投げたのは全15球中1球だけ。2イニング目の先頭古谷野への初球に投げてボール。その後はサインが出なかった。小田は「あの日は(投球の)バランスを崩しそうだったから1球でやめた。あれを使うと(得意の)シュートが悪くなりそうな気がした」と振り返る。新球のために勝負球の威力を失っては、元も子もないという判断だった。

 朝倉は、開幕まで残り3週間となったこの日「試すという余裕はないです。使えないならやめるしかない」ときっぱりと言った。今後は自分のピッチングを仕上げる必要もある。カットボールがものにできるかどうか、自分の目でしっかりと判断する。【益田一弘】