金本、新装甲子園を独り占め!

 左ひざ手術からの完全復活を目指す金本知憲外野手(39)が11日、ひと足早くリニューアルされた甲子園で単独練習を行った。フリー打撃では約120スイングで5本のサク越え。「新生甲子園1号」をマークするとともに、ラストは豪快に予告本塁打で締めた。「浜風防止のカベがないぞ!」。軽快な冗談が飛び出すほど、調整は順調。12日には、その甲子園の記念すべき第1戦、巨人との無観客試合が行われる。

 センバツの球児よりも、チームメートよりも、お先にニュー甲子園を初体験した。まさか、抜けがけ?

 ロッカーへ引き揚げる金本は、付きそう球団関係者に、豪快な冗談で、変わらぬ本拠地の難攻不落ぶりを「グチ」った。

 金本「ライトスタンド(までの距離が)狭なっとる。ホームランが出やすいようなっとると言ってたのに、全然なってないやん。浜風防止のカベもできてないしなぁ…。どうなってるねん、バカヤロー!(笑)」

 確かに内野スタンドは前方にせり出す。外野もせり出せばよかったのに…。アーチスト泣かせの浜風がなくなっていればいいのに…。まさか、そんなはずはないが、アニキ節が飛び出すのも順調な調整の裏返し。

 様々な偶然が重なり合い、単独練習が実現した。この日は施工主の大林組から、球場の持ち主、阪神電鉄への球場引き渡し日。つまり、この日をもって新甲子園は球団に解禁となったが、本隊はスカイマークでのオープン戦のため不在。居残った金本だけに一足早いメーン使用許可が出た。報道陣はシャットアウトされたが、様子を見た関係者が明かした練習風景は、軽快そのものだった。

 フリー打撃で、軽めの10スイングが過ぎたあたりだった。早々とライトスタンドにライナー性の「1号」が飛び出した。「あれであんなもんか」。強烈な逆風に押し戻され、甲子園の広さに改めて驚いた。20分間打った後、10分間の休憩ののち再度10分間。すべてライト方向に4本のサク越えを運び迎えた大詰めだった。「ラスト3本な」と叫び、バットでスタンドを方向を指して本塁打締めを予告した。ライト方向に2本鋭い打球を飛ばした後、最後は右中間最深部に美しい放物線を架けた。「東京ドームなら看板直撃ですよ」。渡辺打撃投手も目を見張る豪快な当たりだった。

 金本「トイレとかキレイになってな。子連れとか女性のことを、球団がちゃんとお客さん目線で考えてくれて、ようなってた。内野の席も広くなってたしな」。

 サク越えの数を5本と確認されると「10本ぐらいにしとけ」と、また豪快に笑った。ファンを大事にする男は、誰よりも早く、大観衆に心地よいアーチを届けるシーンを思い描いた。【片山善弘】