<オープン戦:横浜8-8日本ハム>◇14日◇横浜

 中田に続き、この日も日本ハムの新戦力が…。ヤクルトからトレードで獲得した藤井秀悟投手(30)が、不安いっぱいで試運転を終えた。オープン戦最終登板の横浜戦で先発し、6回、9安打6失点と乱調だった。オープン戦2試合で計11回9失点で防御率は7・36。開幕2戦目の22日ロッテ戦での先発が濃厚と期待が高いが、物足りない結果に終わった。

 自己満足度は十分だった。「結果と感覚は違う。こんなふうにして投げれば、というのが分かって良かった」。胸を張ったが、とても誇れる内容ではなかった。序盤までにイニングの先頭打者を出塁させて3失点。勝ち越した直後の6回には2死から5連打を浴びた。低めに集めることが投球スタイルの生命線だが、直球、変化球を問わず高めに上ずり、安定感を欠いた。

 先発補強の目玉だが、終盤勝負の接戦で自滅した。投手中心に守り勝つ基本プランを持つ梨田監督は「途中で立ち直ったけれどね」と渋い顔。6回には先頭打者の村田から三振を奪い「調子に乗っちゃいました」とおどけたが、指揮官は笑っていなかった。開幕まであと5日。危機感を抱いてもいい時期に陽気な左腕が、ちょっと心配になってきた。【高山通史】