中日平田良介外野手(19)が21日まら開幕中堅をかけた最終バトルに臨む。ヤクルトとのオープン戦が中止となった20日、左手第3中手骨骨折で離脱していた正中堅手・森野将彦内野手(29)が21日の広島戦(ナゴヤドーム)から合流することが決定。東京都内の神宮屋内練習場で調整した平田はオープン戦残り3試合でのアピールに向け、立浪和義内野手兼任打撃コーチ(38)から打撃改良の“メス”を入れられた。

 神宮屋内でティー打撃を行う平田が、立浪から声をかけられた。「おい平田、ちょっとこれやってみろ」。指示されたのは立浪が自らが行っている「高速ティー打撃」。スタンスを広く取ったまま、体重移動しながら10球連続でボールを素早く打つものだった。

 「あいつは下半身がフラフラしてトップの位置も変なところになっていた。この練習はそれを直す二重の効果がある。もっと早くやらせればよかった。結果を出してレギュラーを取らないといけない選手。今日から毎日この練習を10セットやれと言いました」。立浪は、意図をそう説明した。

 開幕中堅の座をアピールしたい平田は、ここ3試合で9打数1安打と低迷。下半身を使えず、トップの位置で右ひじを背中側に引きすぎるためバットの出が悪くなるクセが出ていた。19日の横浜とのオープン戦の中堅守備では飛球を弾く失策を犯し、送りバントも失敗していた。

 21日には森野が合流。万全なら首脳陣は迷わず森野を選ぶだろう。ただ、万全でないなら平田にもチャンスはある。あと3試合でどれだけ打席に立てるのか。「下半身と上半身をうまくつかって前でさばけと言われました」。光を見いだした平田は、最後のアピールを狙う。【鈴木忠平】