<ヤクルト2-4阪神>◇20日◇神宮

 歴史的快進撃の喜びは、なかった。勝利のハイタッチを終えた阪神岡田監督は鋭い眼光で一塁ベンチをにらみつけ、肩を怒らせながら帰りのバスに向かった。

 「死球はいかんわな。大変やぞ。最後も3人で終わったから米野まで回らんかったな。まあ次は甲子園やろ。ヤクルトは捕手2人しかおらんけど、知らんぞ」

 9回表2死三塁、ヤクルトの松岡が新井の左ひじ付近に死球を当てた。これを故意とみた岡田監督は、過激な発言で怒りを隠さなかった。その裏に捕手米野まで打席が回らずゲームセットとなっただけに、次回対戦となる29日からの甲子園3連戦を持ち出すほど怒りの根は深い。

 3回には田中、4回には宮本と先発杉山が2個の死球を“先に”与えていた。「でもこっちは1点差で、わざとぶつけるはずがない。それなのにな」。語気は荒いまま神宮を後にした。