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広島G戦勝ち越し、天谷が超美技

<広島5-4巨人>◇20日◇広島

 背走、走る走る…捕った! ただいま売り出し中の天谷にスーパープレーが生まれた。1点ビハインドの5回、ゴンザレスの打球を背走しながらジャンピングキャッチ。そのままフェンスに激突したが、ボールは離さなかった。その裏、広島は一挙3点を奪い逆転。守備からリズムが生まれ、終わってみれば5-4で連日のG倒。借金を3とし、4位に浮上した。

 その打球が上がった瞬間、市民球場を埋めたカープファンから悲鳴が上がった。5回、先頭ゴンザレスがルイスの3球目を思い切りたたく。白球は中堅方向へグングン伸びる。誰もがフェンス直撃は覚悟しただろう。どうか本塁打にはならないでくれ…そんな思いが、球場を包み込んだ。

 ただ1人、あきらめなかったのが天谷だ。打った瞬間「入らない。いけると思った」。俊足を飛ばし、打球と争うようなスピードで背走。最後は腕を思い切り伸ばしながらジャンプだ。グラブにボールが収まった直後、そのままフェンスに激突。しかし、つかんだボールは決して離さなかった。「意地でも捕るという気持ちだった。自分が攻撃で塁に出ていなかったので、守備だけでもと思っていた」。気迫のスーパーキャッチに市民球場の悲鳴は大歓声に変わった。

 好守はリズムを生んだ。ルイスは次打者古城を三振。上原の二ゴロは二遊間を破りそうな当たりだったが、東出が追いついてジャンピングスローで一塁アウト。「天谷でしょ。彼が流れを作った」(東出)。その流れは裏の攻撃に現れた。

 それまで3安打1得点に抑えられていた上原に猛然と襲いかかった。4安打を集中し3点を奪い逆転。「好プレーが出ると流れが変わるね」とブラウン監督も大喜びだ。6回には石原のソロで追加点。終盤追い上げられるが、継投でしのぎ2連勝だ。

 18日の巨人戦。0-0の4回、2死二塁から巨人高橋尚の打球はフラフラと上がった。この打球を梵、天谷の連係ミスで天谷がまさかの落球。これで先制点を与えた大竹は7回5失点で負け投手になった。その翌日、試合前の練習で永田外野守備走塁コーチの下、天谷は浅いフライを捕球する練習を繰り返した。「(落球した)あのプレーは忘れないで、でも引きずらないように積極的にやっていきたい」。この日の試合後、天谷は静かにそう話した。

 先発ルイスは「あの打球が抜けていたら、違うイニングになっていただろう」と好守に感謝。永田コーチも「あれが天谷の持ち味。失敗もするけど、誰にもとれない打球を捕るんだ」と大絶賛。ひとつの落球を乗り越えて、天谷が大きな勝利を呼び込んだ。【網 孝広】

 [2008年4月21日11時36分 紙面から]


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