<西武3-11ロッテ>◇28日◇西武ドーム

 打った瞬間バットを放り投げた。ロッテ里崎の顔に確かな手応えが浮かんだ。2-1で迎えた5回2死満塁から、西武岸のスライダーを軽く捕らえ左翼席中段まで運ぶ7号満塁弾。「打てそうだなと思ってました。1点で良かったんだけど4点取っちゃった」と、今季初のお立ち台で舌も滑らかだった。

 4年連続満塁弾は球団史上初の快挙。「よく回ってくるんですよ、満塁で。今日も心の準備は出来ていました。狙ってたというより小細工しなくても行けると思った」と、千両役者ぶりを見せつけた。たまりにたまったストレスを発散させた。開幕直後に右ひじを痛め、5月4日に4年ぶりに1軍登録抹消された。その後チームは最下位に転落。常々「自分は言葉より、プレーで引っ張っていくタイプ」と話していたが、この一発で存在感を示した。

 これで打線も活気づき、2本塁打に5本の二塁打を含む12安打11得点。西武のお株を奪う猛攻で、連敗を4で止めた。里崎は「残り71試合。まだまだチャンスはある。栄光目指して突き進むのみ。勝って勝って勝ちまくる!」と威勢よく言い放った。本気でメークミラクル」を狙っている。【鳥谷越直子】