<オリックス6-2日本ハム>◇19日◇スカイマーク

 打球方向が分からない。それでもオリックス小瀬浩之外野手(22)は走った。6回裏2死満塁で多田野の直球を左中間へ走者一掃の二塁打。1軍昇格して4戦目の先発で、初めて勝利に貢献する一打となった。

 初のお立ち台では、天然ぶりと負けん気が交錯する。「手ごたえはあったんですけど、ライト(照明)とかぶって、どこに飛んだか分からなかった」と笑わせれば、「ルーキーの広島小窪がお立ち台に立ってたんで、負けられないと思ってました」と語気を強めた。

 天然ぶりをすぐ取り戻す。6回表の左翼守備ではファウルグラウンドに飛んだ飛球をスライディングし好捕。「あれもあまり見えてなくて、滑ったら入った」と初々しい笑顔を見せた。

 4年前になくなった母啓子さん(享年54)のお墓も今年中には建つ予定だ。観客席には父や兄が見えた。「家族が来てたから(お立ち台から)そこを見られた。いなかったら(緊張で)しゃべれなかったです」と話していた。