<ヤクルト12-6中日>◇2日◇神宮

 3位確保を狙う中日が今季ワースト12失点でヤクルトに大敗し、勝率5割に逆戻りした。2点ビハインドの5回、先発佐藤充投手(30)が四球連発で自滅し、救援陣も流れを止められず大量6失点。和田、ウッズ、森野がアーチ競演したが及ばなかった。5位ヤクルトと2・5ゲーム差となり、4位広島とは1ゲーム差。Aクラス争いはいよいよ混沌(こんとん)としてきた。

 今季ワーストの12失点が刻まれたスコアボードを見上げ、落合監督は帰りのバスへと歩いた。「どうしちゃったんだろうな。急にストライクが入らなくなるんだから。まあ、そういうことも考えておかないといけないんだろうけど、どっかで1つアウトを取ってくれればなあ」。屈辱的な大敗は先発佐藤充の2四球が始まりだった。

 2-4の5回、佐藤充は無死から投手ゴンザレス、福地に連続四球を与えた。宮本には中前に運ばれて満塁のピンチ。たまらず落合監督から交代を告げられた。「全部、僕の責任です。申し訳ない。(四球は)はっきりとした原因はわからないんですが…」。うなだれてマウンドを降りた。

 中継ぎ陣もヤクルトの勢いを止めることができなかった。2番手小林が青木に押し出し死球を与えて打者1人で交代。3番手中里が畠山を一ゴロに打ち取った当たりを、一塁ウッズが本塁へ送球する野選…。なお満塁から中里が飯原に三塁打を浴び、この回3安打4四死球で6失点となった。

 佐藤充は8月7日ヤクルト戦(ナゴヤドーム)で今季初勝利をあげて以来、3連敗。「いい状態はそうは続かない。こっちがうまく使わないと。そこを乗り切れればローテーションに入ってこれるんだろうけどな。まだそこまでじゃない」。落合監督は今後の課題を示したが、次回登板については「わかりません。下(2軍)にピッチャーはいる」と保留した。

 また貯金ゼロに逆戻り。4位広島が1ゲーム、5位ヤクルトが2・5ゲーム差に迫る中、がけっぷちの戦いが続く。【鈴木忠平】