楽天が来季、野村克也監督(73)の右腕となる“助監督”ポストを設置し、外部から後継者候補を招聘(しょうへい)する可能性が出てきた。7日、1年契約で続投を要請している野村監督の契約の中に、次期監督候補を育成する条件があることが判明。野村監督がこの日、「(自らの後継者を)内部ではなく、外部から呼んでくるらしい。助監督だかヘッドコーチだか分からんが。それを育ててくれと」と明かした。続投が内定している野村監督の去就が正式決定すれば、一気に人事が動きだす。

 日本ハム戦の試合前、ベンチで野村監督が、おもむろに口を開いた。「誰だかは聞いてないが、外部から人を呼んでくるらしい。それを1年間で育ててくれと言われた」。8月31日の続投要請以来、1年契約以外は具体的な契約内容は明かさなかったが「(次期監督候補を)オレの下に置くらしい。ヤクルトの時は『若松を育ててくれ』と言われた。あの時は優勝もしてたから余裕もあったけど、今は余裕がないよ」と、ボヤキながら球団サイドの構想を明かした。

 球団は来季をノムラ野球の集大成としている。1年間の契約延長で、チームに野村イズムを完全に浸透させ、その上で次期監督にも引き継がせたい方針。続投要請後の4日には、米田球団代表も「土台を完成させて、次の世代へ引き継いでいただきたい」と続投要請の理由を説明していた。後継者の決定は内部、外部問わず広い視野で人選が行われるようだ。

 米田球団代表は外部招聘プランについて、一瞬戸惑いの表情を浮かべ、その後、言葉を選びながら「話し合いの中の1つ。交渉のプロセスなので、今はまだお話しできません」と明言を避けた。チームの要の捕手を目の前に座らせ、野球論をたたきこむのが、ヤクルト時代からの野村流育成術。来季は次期監督候補が、ノムさんのそばでイズムを注入される可能性がある。