「平成の鉄腕」が海外で再生する。ソフトバンクが2年ぶりにウインターリーグへ若手選手を派遣し、ルーキー大場翔太投手(23)をその候補に挙げていることが26日、分かった。

 王監督が今季限りでの辞任を発表し、チームも11年ぶりのBクラスが確定。この日、同率で並んでいた楽天が勝ったため、01年4月以来、残り10試合を切った時点では96年(6位)以来となる最下位に転落した。来季に向けた動きが強まる中、角田雅司球団代表(56)は「ウインターリーグへの派遣は検討している。どこの国がいいか、どのレベルにあるのか調査中で、経験とハングリーさを学ぶにはいい場所」と説明した。その上でドラフト1巡目入団で今季3勝(5敗)にとどまる大場について「候補の1人になる」と明かした。

 球団は06年オフにハワイでの同リーグに野手2人を派遣した。しかし出場機会が予想以上に少なく、日本語も通用することから、球団は「武者修行」の効果は薄かったと、昨年オフは一時中止していた。角田代表は「野手はなかなか難しいが、投手の方は1、2イニングなど計算できる」と、派遣する場合は投手を優先する方針を示した。

 ハワイは今月27日(日本時間28日)に開幕し、10月7日開幕の教育リーグ(宮崎)と日程が重なる。派遣先をドミニカ共和国や台湾での同リーグにも広げれば、途中参加を回避できるため、慎重に協議を進めている。

 大場のプロ1年目は無四球完封デビューと上々なスタートだったが、徐々に調子を落とし、2度の2軍降格を経験。最終的に防御率5・28、12試合で13被本塁打と振るわなかった。球団の派遣プランを伝え聞いた大場は「もし行けるなら喜んで行きたい。たくさん経験を積んだ方が自分のものになる。違った環境の中で野球をすることはプラスになると思う」と前向きな姿勢をみせた。この日は74日ぶりに1軍へ昇格。先発が有力な30日楽天戦(Kスタ宮城)で、まずは来季につながる投球を披露する。