<阪神4-1中日>◇12日◇スカイマーク

 虎狩りデモだ!

 中日はクライマックスシリーズ(CS)第1ステージで激突する阪神と今季最終戦を戦い、CSで先発が予想されるチェン・ウェイン投手(23)、川上憲伸投手(33)がそれぞれ2イニングを無安打無失点に抑えた。試合は6回、3番手山本昌、4番手斉藤が3者連続押し出し四球を記録し、逆転負け。阪神戦は6勝17敗1分けとなったが、2戦先勝の短期決戦へ手ごたえをつかんだ。

 完敗した今季最終戦でエース川上とチェンが手ごたえをつかんだ。2回ずつを投げ、いずれもノーヒット。阪神とは18日からのCS第1ステージで対戦することが決まっており、両投手は初戦と2戦目に先発することが濃厚。「前哨戦」で上々の仕上がりを見せつけた。

 先発チェンは、飛ばしに飛ばした。最速153キロのストレートとスライダーで阪神打線を寄せつけない。2回を打者6人に抑えるパーフェクト投球。全25球中10球が150キロ超え。打者の右左に関係なく、内角をついた。しかも自信を持っているチェンジアップを封印した試運転。「今日はコントロールがもう少しだった。もっと厳しいところに投げれば抑えられる。クライマックス前の準備期間としては、心配なく順調にいっています」。自らを戒める言葉に自信がにじんだ。

 2番手の川上は、貫録の投球を見せた。全26球中23球が直球で投球のバランスを確認。1日横浜戦から登板間隔が10日空いた影響で、4回先頭の赤星には四球を出すなど制球の乱れはあった。しかし1死三塁のピンチは、新井を144キロの内角直球で一邪飛、金本を137キロのフォークで空振り三振。「(状態は)普通じゃないですか。次もしっかりいきたい」と冷静に話した。

 CS第1ステージは先に2勝すれば突破となる。2人で連勝するシナリオが見えてくる。シーズンでは阪神に6勝17敗1分けと大きく負け越したが、エースと成長著しい左腕で、一気に勝負を決める。【益田一弘】