阪神は中西清起1軍投手コーチ(46)を2軍に配置転換し、ファームの投手部門を強化する方針だ。21日、岡田彰布監督(50)の退任が正式決定。新監督候補を真弓明信氏(55)に一本化して就任要請への手続きを進めている阪神は、同時進行で組閣作業を急ぎ、新体制を固める。

 投手部門では1軍でブルペン担当の中西投手コーチが2軍に配置転換される見通しだ。球団首脳は「投手は特に2軍を強化しないといけない。若手の伸び悩みもあるし、ベテランクラスや外国人の調整もうまくいかなかった」と話す。JFKを中心とした最強のリリーフ陣を指導してきた中西コーチに、若手投手のレベルアップを託す方針だ。

 現在2軍の投手部門は左腕の星野伸之コーチ(42)と下手投げの葛西稔コーチ(41)の2人制で、球団側は現役時代に本格派の上手投げだったコーチの必要性を認識していた。04年に入閣して1軍スタッフで5シーズン目となる中西コーチは各投手陣の特性も熟知し、ファーム強化にうってつけの存在と判断した。

 今季中に2軍から1軍戦力まで成長したのは、9月に先発ローテーションに収まった新人石川がいる程度。高卒3年目の鶴は1試合に先発したが敗戦投手となり降格。昨季1軍デビューした同キャリアの若竹は一度も1軍昇格しなかった。

 またボーグルソンやアッチソン、金村暁など2軍で調整した外国人やベテラン組の仕上がりが遅いことも懸案だった。「第2のJFK」育成とともに、中西コーチの手腕に虎投再建の期待がかかる。