中日落合博満監督(54)が24日、来年3月開催の第2回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の監督に楽天野村克也監督(73)を推薦した。コミッショナー特別顧問を務める王貞治氏(68)が示した日本シリーズ優勝監督が就任する案には「今さらおかしい」と否定的な見解を示した上で「オレはノムさんを推す。一番いいのはノムさんがやること」と断言した。

 巨人とのCSの最中、落合監督がWBC監督問題について口を開いた。コミッショナー特別顧問の王氏が前日23日に「一番文句が出ないのは日本一の監督」と日本シリーズ優勝監督が就任する案を出したことを問われると否定的な見解を示した。

 「最初にルールを決めようとした時に足並みがそろわなかったんだろ。今さら日本一の監督がやればいいって言うのもおかしいと思わないか」。その上で、こう続けた。「オレはノムさんを推すよ。現役の監督で一番野球を知っているのはノムさん。ノムさんがやるのが一番いいんだよ」。12球団の監督の中で最年長の楽天野村監督を推薦した。

 もし「日本一監督」となれば、現在のところ西武渡辺監督、巨人原監督とともに落合監督も候補となる。だが、中日はWBC監督問題が議題となった9月の実行委員会で「直近の日本シリーズ優勝監督をWBCの監督に」というルールづくりを提案。恣意(しい)的な監督人選に疑問を呈したにもかかわらず、12球団の足並みがそろわず中日案が見送られた経緯がある。

 それだけに最初にルールづくりを提案した西川球団社長も「うちはルールをつくるべきだと言ったし、落合監督はルールであれば従うと言った。ただ今の(王氏が参加している)WBC体制検討会議は諮問機関であってルールを決める権限はない。今さらルールづくりなんて無理でしょう」と話した。

 王氏は23日、日本一監督に関して「12球団の足並みがそろってないからね」と話し危ぐしていた。27日の第2回体制検討会議はますます混迷しそうな雰囲気になってきた。【鈴木忠平】