「ノー・モア・デービッドソン」。06年WBC第1回大会で物議を醸した再三の「誤審問題」の善後策として、第2回大会はMLBの審判団、IBAF(国際野球連盟)から半数ずつ審判員を派遣することが決まった。

 前回は大リーグの審判員組合の反対もあり、主にマイナーリーグの審判員で構成した結果、「米国-日本戦」「米国-メキシコ戦」などで疑惑の判定が続出。日本代表の場合、米国戦でのボブ・デービッドソン球審の裁定で三塁走者西岡のタッチアップが「離塁が早い」と判断され、得点が認められないなど、後味の悪いまま大会は進行された。

 今回は各国機構側の強い要望を踏まえたうえで、審判団を選定。参加予定の審判員に対してはすでにトレーニング、オリエンテーション、講習などを始めるなど、万全の準備を経て参加する方向で進められている。配置についても第2ラウンドまでは4人制だが、決勝トーナメントは6人制。現時点で日本からは4人の審判員が各ラウンドに派遣される予定だ。

 また今季途中からメジャーで採用された「インスタントリプレー」に関しては現在、最終調整中。第1ラウンド会場の東京、サンホワン、メキシコで撮影・検証機器が設備されておらず、米国のメジャー球団の本拠地を使用する第2ラウンド以降で採用するか否かを検討している。ルールの詳細を含め流動的な部分があるものの、前回大会の反省点を踏まえ、より厳正な運営方法を探っている。