中日森野将彦内野手(30)が「メジャー完全封印」を宣言した。11日、愛知県内のゴルフ場で行われたコンペに出場。来季国内外移籍可能な“完全FA権”を取得する見込みであることについて「メジャーに興味はない。名古屋にどっぷりということになるでしょう」と米大リーグ移籍の可能性を完全否定した。今月17日には球団との契約交渉を予定しているが、複数年契約を提示されれば応じる構えを見せた。

 次々とプロ野球選手が海を渡る時代にあっても森野に迷いはなかった。ラウンド終了後、来季移籍先に制限のない“完全FA権”を取得見込みであることについて、きっぱりと言った。「メジャーに興味はないですから。名古屋にどっぷりつかるということになるでしょう」。1年前倒しの残留宣言だった。

 森野は今年8月、ルール改正によって国内球団に限って移籍が認められるFA権を取得した。「中日は強いチーム。ここでやりたい」とシーズン中に残留を決めたが、順調ならば来季中にメジャー移籍も可能なFA権を取得できる。今年8月の北京五輪に出場し、来年3月の第2回WBCでも辞退したとはいえ1次候補に入った。バッテリー以外すべてのポジションが守れる器用さと打力を兼ね備える森野にメジャー球団が興味を示す可能性は十分にある。だが、本人はまったく興味を抱いていなかった。

 球団はチームの主軸流出を阻止するため、17日に名古屋市内の球団事務所で予定されている森野との契約交渉で複数年契約提示も視野に入れている。これに対して森野は「複数年?

 そうなればそれでいい。何も言うことはないですから。すんなり1回でサインすると思います」と応じる姿勢を見せた。

 “生涯中日”の覚悟だ。中日からは昨オフ主砲福留がカブスにFA移籍した。そして今オフはエース川上のメジャー移籍の可能性が高まっている。主力選手がFA流出する傾向がある中、異彩を放つ森野の「メジャー完全封印」宣言だった。【鈴木忠平】