いつかラミレスのような4番になりたい-。昨季、初めて「4番」としてシーズンを過ごした栗原健太内野手(26)。重圧に打ち勝ち、自己最高の3割3分2厘、103打点をたたき出した。4日からは米アリゾナへ自主トレに出向く。出発前に、本紙に熱い思いを語った。栗原の理想の4番像は、ドジャースからFA申請したマニー・ラミレス(35)。06年まで9年連続で100打点を記録し“RBI

 Machine(打点マシーン)”の異名をとる強打者。栗原の大きな目標だ。

 06年まで9年連続で30ホーマー、100打点を記録したラミレス。これまでに首位打者、本塁打王、打点王をすべて獲得。04年のワールドシリーズではMVP。昨季はシーズン途中でレッドソックスからドジャースに移籍。新天地でも53試合で53打点を挙げた。通算では1725打点、527本塁打。「RBI

 Machine」と言われる4番打者を、栗原は羨望(せんぼう)のまなざしで見つめている。

 栗原

 ラミレスはチャンスに強い。まず見るところはそこですね。同じ4番で同じ右打者。「コイツに回ってきたら何とかなる」というムードが漂っている。実際、本塁打が欲しいところで打つ。

 栗原がメジャーをテレビで観戦し始めたのは7年ほど前からだという。そのころ、ラミレスはレッドソックスに在籍していた。「右のいい打者は誰かいないかな」。ラミレスの姿に目を奪われるまでに、さして時間はかからなかった。

 栗原

 やっぱり、右打者を手本にするじゃないですか。長打もあるし、右方向にも打てる。その上で率も残している。構えるところ見ても、投げるとこないでしょ(笑い)。ボールの見極めの質も高い。

 栗原は10月に右ひじ手術のため渡米。10月15日(日本時間16日)、ナ・リーグ優勝決定戦シリーズ、ドジャース対フィリーズ第5戦を観戦した。試合前にはラミレスにあいさつ。試合前練習から、見つめ続けた。

 栗原

 「ホームラン打ってくれないかな」と思ってたら、本当に打った。感動しました。ここぞという時に結果を出す。理想の4番です。

 4日から3週間、栗原は昨年に続き米アリゾナに自主トレに出向く。ラミレスも同じ施設で自主トレを行う予定。昨年も遭遇したが、ほとんど話せなかった。

 栗原

 今度は、いろいろと聞いてみたい。技術面もそうだし、メンタル面も。アリゾナではどんどん技術練習をしたい。ひじは順調。向こうでは打ちます。

 栗原はWBC1次候補に選出されている。ラミレスがドミニカ共和国代表として出場すれば、対戦する可能性もある。そのためにも、最終ロースターに残らなければならない。

 栗原

 WBCは、まず試合に出たい。(ドミニカ共和国と)対戦することがあれば、1人1人の能力が高いので、得るものは大きい。ラミレスと同じグラウンドに立てるわけですから。

 契約更改の席で「タイトルを取りたい。打点を一番に考えている」と言った栗原。RBI

 Machine-。理想の4番像を追求していく。【網

 孝広】

 [2009年1月3日11時48分

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