ソフトバンク斉藤和巳投手(31)が9日、「15秒ルール問題」で日本ハムのダルビッシュ有投手(22)と“共闘”する姿勢を打ち出した。投球時間短縮のための新ルールについて前日8日にダルビッシュが反抗したことに同調。WBC組が合宿で離脱する今後、キャンプ地を訪れる審判団へ直接意見する考えを示した。

 チームのため、日本野球界のために一肌脱ぐ。「投手にとっては死活問題。(審判団と)意見交換していく。『15秒ルール』は(まだ)決定ではないと聞いているので」。今季から無走者時に捕手からの返球を受けて15秒以内に投球動作に入らないとボールを宣告される新ルールが導入される予定。チームも3日に説明を受けた。だが斉藤は「例えばツースリーで、打者が(ルールを見越して)タイムをかけてくる可能性も十分あり得る」と問題点を指摘。ファンの立場も考え「それでは(時間に追われ)野球が面白くなくなる」と訴えた。

 もちろん、試合時間短縮自体に反対するつもりはない。「試合を早くするのはいいけど、違うところでも短縮はできる。投手の立場から言わせてもらうと、投手のルールが多い。打者は口頭で(の注意)だけなのに」。代替案としてストライクゾーンの拡大が挙がるが「以前もやったけど戻ってしまった。本気でやるなら徹底しないと」と抜本的な改革の必要性を説いた。

 自身は昨年1月に手術した右肩のリハビリ中で「見通しも手応えも分からない」。実戦マウンドはまだ先でも、2度の沢村賞に輝いた右腕は球界へ一石を投じていく。【太田尚樹】

 [2009年2月10日10時1分

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