中日は3日、本拠地ナゴヤドームで横浜との開幕戦に臨む。先発が予想されるのは吉見一起投手(24)だ。開幕投手を命じられればプロ4年目で初の大役となる。「やり残したことはないというくらい準備できました。横浜は村田さんが(故障で)いないからと言って油断せず、連打に注意したい。自分のスタイルを変える必要はないと思っています」。2日の練習を終えた吉見は穏やかな表情で言った。

 チーム方針で先発情報には徹底したかん口令が敷かれている。この日も吉見はダッシュなどすべてのメニューを開幕カードでの先発が予想される浅尾、チェンと一緒に行った。昨季横浜戦12イニングで無失点の右腕・浅尾が中7日で先発する可能性も考えられるが、実績、相性などすべてを考慮すれば吉見が最有力候補に浮上してくる。

 昨季初めての2ケタとなる10勝(3敗)を挙げた吉見は140キロ後半の直球、スライダー、フォーク、シュートと多彩な球種を抜群の制球力でコーナーに投げ分ける本格派右腕。川上の後のエース候補として期待を受ける。オープン戦では3試合で1勝1敗、防御率3・94という数字以上に安定した投球内容だった。また昨季は横浜に対して3勝0敗、防御率3・29と“横浜キラー”だったことも見逃せないデータだ。

 吉見はすでに最初の登板日は告げられたという。「最近、言われました。いろいろなうわさが出ている中で自分の思った通りの日でした。そのつもりでやってきましたから」。すべての要素から導き出されるのは「開幕戦」か-。波乱の可能性を含みながら迎えるオレ竜6年目の開幕は吉見が命運を握る。【鈴木忠平】

 [2009年4月3日11時43分

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