<日本ハム16-6巨人>◇19日◇札幌ドーム

 セ・リーグ独走への弾みをつけるはずだった交流戦初戦で、巨人がまさかの大敗を喫した。16失点も被安打20も今季ワースト。日本ハムとの“セ・パ首位対決”で、ぐうの音も出ないほどたたきのめされた。原監督は「負けは負けよ。明日につなげ、チームは進化していくということ。以上!」と、悔しさを隠すように語気を強めた。

 名手の失策が悪夢の始まりだった。3-0でリードした4回だった。先頭稲葉のゴロを、一塁手のセ・リーグ無失策記録を更新中の李がファンブル。この出塁をきっかけに先発・高橋尚がリズムを崩した。この回、打者9人の猛攻を浴び4失点。続く5回も失点を重ねKOされた。8回には坂本の失策をきっかけにピンチを広げ、決定的な5点を失った。33試合を終了した5月12日の時点でチーム失策はリーグ最少の9個だったが、その後の6試合で9失策。最近は守備のほころびが目立つ。

 記録には表れないミスも出た。8点を追う7回、無死から亀井、阿部の連続アーチで2点を返し、なおも安打が続いた。しかし、坂本の左前打で一塁走者の木村拓が三塁を狙って憤死し、追撃ムードは一気にしぼんだ。日本ハムの左翼は強肩の森本。進塁よりも走者をためることを優先すべきだった。木村拓は「点差を考えれば行くべきではなかった」と反省した。

 首位快走に隠れ、これまでは表面化しなかった悪いところがすべて出た。試合後に緊急ミーティングを開いた主将の阿部は、「明日また切り替えてやるしかない」と、表情を引き締めた。屈辱をパワーに変えるのか。それともズルズルと引きずってしまうのか。20日の第2戦は是が非でも負けられない一戦になった。【広瀬雷太】

 [2009年5月20日8時47分

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