<阪神4-6西武>◇28日◇甲子園
勝機は、目の前を何度も通り過ぎた。つかみ損ねるうちに試合終了を迎えた真弓明信監督(55)は、もったいなさから言葉に張りがなかった。
「8回も満塁まで行っているけどね。送りバントも考えないではなかったけど、打順や葛城の調子もあって打たせた。3回に追い越していれば、投手の継投も変わっていたかもな」
1点を追う8回。金本と新井が一度もバットを振らずに連続して四球を選んだ。無死一、二塁と転がり込んできたチャンス。だが強攻の葛城は中堅佐藤友の好捕に阻まれて走者を進められず。平野の安打で満塁となったが、狩野は遊ゴロ併殺打で一瞬のうちにチェンジとなった。
3回にも、もらった好機を生かせなかった。相手暴投で同点となり、なお1死二、三塁。新井は中飛、葛城の死球で満塁としながら平野は空振り三振と勝ち越しにつながる、あと1本が出なかった。
「逆にいえば、一時より悪くはない状態ではある。なんとか巻き返したい」
真弓監督が強気なのは、チャンスすら作れなかった5月上旬よりはマシと見ているからだろう。もどかしい試合運びで一進一退を繰り返し、借金返済へのダッシュがつかない。【町田達彦】
[2009年5月29日12時17分
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