<ソフトバンク9-5中日>◇30日◇福岡ヤフードーム

 秋山幸二監督(47)の勝負の一手が、再びソフトバンクに流れを引き戻した。5点リードを追いつかれた直後の5回裏。先頭の本多が四球で出塁。これまで「1点にこだわる野球」を徹底し、初回からでもバントを多用していた指揮官が選んだ策は、エンドランだった。しかも、カウント1-2から4球連続。打者川崎が3球ファウルの後、高め直球をたたいた打球は、ワンバウンドで三塁森野の頭上を越えた。一、三塁と一気にチャンスは拡大し、その後ノーヒットで勝ち越し点をゲット。秋山監督は「バントの選択肢もあった?

 それは、いいじゃん」と手の内を隠したが、勝負手が打線の勢いを吹き返させたのは間違いなかった。

 川崎が「なかなか前に飛ばなかった。結果オーライだけど1発で決められるようにしないといけない」と振り返ったシーン。乱調気味のゲーム展開に加え、自軍の打線が厚みを増してきたことにも指揮官は手応えを感じているのだろう。交流戦首位を走るソフトバンクの攻撃が多彩になってきた。

 [2009年5月31日11時36分

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