<巨人2-5阪神>◇16日◇東京ドーム
ブラ砲の豪快アーチが首位巨人を粉砕した。同点に追いついた後の3回表2死一、二塁。先発高橋尚の変化球を右翼席上段へ運んだ。これが10号決勝3ラン。途中入団助っ人の2ケタ本塁打は、球団史上初の快挙となった。4位広島も勝ったため虎の5位は変わらなかったが、上位浮上へ弾みのつく勝利だ。
どっちが首位か分からないぜ!
力強く、鮮やかな弾道だった。決勝3ランを放った阪神クレイグ・ブラゼル内野手(29)は「初回に(2死満塁の先制機で)打てなかったからね。借りを返すという意味では、いいホームランだった」とほえた。先制の好機で空振り三振に倒れたことが頭にあった。12日中日戦以来、4戦ぶりの10号3ランでストレスを即座に発散した。
6月の来日から大きなスランプに直面することはない。それどころか、さらなる打撃爆発さえ感じさせる。海の向こうの新たな命がモチベーションだ。9月5日が予定日の長男トロットくんの誕生が早まるかもしれない。「今日、明日に、という可能性もないことはない。とにかく母子ともに健康で生まれてきてほしい。みんなで祈ってほしいよ」。朗報に備えて、米国製と日本製の携帯電話を1つずつポケットに忍ばせている。この日の試合後も「2つあるからね」と握りしめて、笑ってみせた。結果を残すことが米国にいるラニー夫人への何よりの“胎教”になる。
昨年は西武に在籍。緊急補強で獲得した際には、「ダメで、もともと」という声もあった。周囲の期待値を大きく超える活躍といっていい。シーズン途中から合流した外国人選手で、2ケタアーチを記録したのは、実は球団史上初めて。8回にも右翼フェンス直撃の二塁打を放ち、5点目の追加点に一役買った。「あの1発でエネルギーを全部使ったから、届かなかったね」と冗談めかした。バットも口も絶好調だ。
特筆すべきは8回の守備。ラミレスの邪飛が、フィールド上に設置された「エキサイト・シート」に舞い上がった。ブラゼルは恐れることなく、客席に飛び込んでキャッチ。「自分が犠牲になっても、取りに行きたかった」。不安視された守りも期待以上だ。
クリーンアップの足並みがそろい、これで6番打者もかみあえば、得点力は確実にアップする。この日は3、4、5、6番全員が2安打を記録した。真弓監督は「ホームランは大きいな。先に点を取られて、流れが向こうに行きかけたところだったし。守備も大きかった」と賛辞を送った。これで巨人戦は3カード連続の勝ち越し。その間のブラゼルの打率は4割ジャストだ。「巨人とのライバル関係は知っている。阪神がいいチームだということを証明できた」。タテジマに袖を通して、3カ月が過ぎたばかりだが、すでに猛虎魂は備わっている。
[2009年8月17日11時56分
紙面から]ソーシャルブックマーク



