<巨人6-7阪神>◇16日◇東京ドーム

 虎アレルギーから抜け出せない。試合後の会見場に現れた巨人原辰徳監督(51)は、怒っていた。不満の矛先は、3回途中で早々と降板した先発の東野峻投手(23)に向けられた。9連戦は始まったばかり。リリーフ陣を休ませたいベンチの思いを裏切る投球に、堪忍袋の緒が切れた。ボール先行で自滅するパターンを繰り返す東野を「2失点で交代の理由?

 あれではゲームにならない」とバッサリと切り捨てた。

 期待の分だけ落胆も大きい。原監督は「(東野には)忍耐強く接してきたけど、なかなか階段を上ってくれない。なんでだろうなあ」とため息。以前からたびたび注意してきた喫煙習慣にも話題はおよび「アスリートとして、たばこもやめられない意思の弱さが原因」と、厳しい言葉を並べた。

 東野だけではない。失策が失点に結び付く悪循環も止まらない。初回の2点目は、左翼ラミレスがスローイングの際にボールを握り損ねたのがはじまり。5回に鳥谷に浴びた3ランも、二塁中井のエラーがきっかけで、無駄な失点を与えすぎた。原監督は「前半戦はうちがまさっていたのに、後半戦は阪神の野球をやられている。今日なんかは如実に出ていたよね」と首をかしげた。

 巨人が阪神に5カード連続で負け越すのは、フランチャイズ制になった52年以降で初めて。さらに阪神との今季対戦成績は1試合を残して10勝11敗2分け。年間勝ち越しの可能性がなくなり、セの全5球団から勝ち越す“完全優勝”の夢も消えた。原監督は「いい意味でも悪い意味でも過去は振り返らない」と気持ちを切り替えたものの、表情は曇ったまま。2位中日が敗れてマジックは10に減り、最短で22日の中日戦(東京ドーム)でリーグ3連覇が決まるが、巨人にとっては屈辱的な1日となった。【広瀬雷太】

 [2009年9月17日9時41分

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