ヤクルトが来季から外国人の獲得ルート拡大を目指し、ドミニカ共和国に本格的に進出することが30日、分かった。早い時期に編成部の担当者が現地に出向き、調査環境の整備に着手する。

 球団関係者は「ドミニカには大化けするような、楽しみな選手がたくさんいる。他球団に負けないように、独自のパイプをつくりたい」と話す。同国でのウインターリーグには複数球団のスカウトが視察に訪れるなど注目度は高い。有力選手を巡り、日本の球団同士で争奪戦を繰り広げるケースもあり、独自ルートを持っていない球団は不利な状況になる。ヤクルトは今オフ、同国出身の160キロ右腕、エウロ・デラクルス投手(25)を獲得したが、日本の他球団との交渉により、獲得に難航した経緯があった。

 今季、同国出身の巨人オビスポや中日ブランコが大ブレーク。メジャー経験のある米球界の選手よりも、好素材な選手を安価で獲得できるメリットもある。90年代半ばからブラジル進出計画が浮上し、育成学校「ヤクルトアカデミー」を設立するなど中南米の進出は早かった。今後は有望な助っ人を獲得すべく人材の宝庫での土台づくりに乗り出す。

 [2009年12月31日9時34分

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