27年目の大挑戦だ!

 中日山本昌投手(44)が8日、鳥取のトレーニングジム「ワールドウイング」で自主トレを公開し、これまでよりもひじを高く上げた新フォームに取り組んでいることを明かした。プロ野球人生の中で一番高い位置から投げ下ろしているといい、従来のフォームと決別する覚悟を見せた。今季に結果が出なければ引退の可能性も高いが「がけっぷちは結構得意。今年は楽しみです」と、例年よりも早い仕上げで3月の開幕に照準を合わせていく。

 今年でプロ生活27年目を迎える44歳の大ベテラン・山本昌が、進退をかけてあくなき戦いに挑む。6日から滞在中の鳥取でより納得のいくボールを投げるため、これまでのスリークオーターよりもひじを高く上げた新フォームに取り組んでいることを告白。「投げていても感触は悪くないし、今のところ順調。すべてがリニューアルではないが、いろいろ試して、捨てるものは捨てる」と、きっぱりと答えた。

 プロ26年間で205勝の実績があろうとも、さらなる進化を遂げるために、迷いはなかった。「いい時はひじが上がっていて、(状態が)悪くなると下がる。だから、ひじの角度が付くように、できるだけ上げておきたい。自然と癖がついてくれれば」。プロ野球人生の中で、一番ひじを高く上げた新フォーム。この日もキャッチボールで数十球を投げ込み「プロの世界はちょっとしたことで勝ち負けが変わる。少しでもいいものがあれば勝ち星は付く」と、うなずいた。

 今年は2年契約の2年目。結果が出なければ引退が現実的となるが「悲壮感はないけど、悔いのないようにしたい」と、今年にかける思いは強い。鳥取にも、例年よりも長く18日まで滞在する予定。詳細は秘密だというが、2種類の新しい変化球も試すという若手並みの力の入れようだ。

 例年よりも約1週間早い3月26日の開幕に合わせ、沖縄にも数日早く入り、キャンプでは例年にはないシート打撃にも登板する予定。「(1勝に終わった)去年の成績だと、結果を出して少しでも早くアピールしないと」と、オープン戦では若手とともに結果を追い求めていく。

 「(今年が)最後になる可能性は五分五分くらいだろうけど、あとは自分次第だからね」。あくまで努力は忘れない。チーム最年長の山本昌は、今年45歳を迎えても、2010年をラストイヤーにするつもりは全くない。【福岡吉央】

 [2010年1月9日11時11分

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