中日森繁和ヘッドコーチ(55)が18日、今季は守護神岩瀬仁紀投手(35)の状態次第では、浅尾拓也投手(25)と高橋聡文投手(26)を中継ぎから抑えに回し、トリプルストッパー制を敷くことを明かした。この日、スタッフ会議に参加した森ヘッドは「岩瀬に何かあってダメになった時は、浅尾と高橋にストッパーをやらせる」と明言。原則的には今年も岩瀬に守護神を任せる方針だが、緊急時には両投手が岩瀬のバックアップを務め、計3人でシーズンを乗り切る計画だ。

 05年から岩瀬が務めてきた守護神を、今季は岩瀬、浅尾、高橋の3人で担う可能性が出てきた。森ヘッドコーチは「あくまで岩瀬に守護神を任せられる状態であれば、岩瀬に任せる」方針。だが、昨年の終盤のように岩瀬が投げられない緊急時には、浅尾、高橋が代役を務める。つまり3人体制を視野にシーズンに入る。

 岩瀬は昨季終盤、原因不明の右腕のしびれに悩まされ、9月19日の横浜戦を最後に、クライマックスシリーズ(CS)第2ステージ敗退までの約1カ月間、1度もマウンドに立つことはできず、代わりに浅尾が守護神を務めた。オフにはウエートトレーニングで体を鍛え直し、今のところ腕のしびれは再発していないが、99年の入団以来11年連続で50試合以上に登板しており、勤続疲労が体に蓄積していることも事実。いつ腕のしびれが再発するかも分からない。

 そこで森ヘッドは、状態によっては岩瀬をセットアッパーとして起用し、浅尾、高橋の2人を抑えに回す“トリプルストッパー制”を敷くという。相手チームの終盤の反撃を封じ込めようという作戦だ。

 森ヘッドは今季の守護神について「岩瀬はやってみないと(試合で投げられるかどうか)分からないんだから。去年もああいうことがあったんだし、岩瀬がダメになった時のことは、当然考えておかなきゃいけない。今年はそういう年」と説明。相手打線によっては、9回の先頭打者だけを岩瀬に任せ、あとの2人を浅尾や高橋が封じるという継投も考えているという。

 岩瀬は現在、鳥取のジムで自主トレ中。今年も春季キャンプでは例年通り1軍に帯同予定で、ほかの若手投手らとともに、第1クールからブルペンに入り、開幕に向けて仕上げていく。

 「ダメになるんだったら、初めにダメになっておいたほうがいい。ゆっくりやっていてダメになれば、開幕までもうチャンスはないけど、最初だったらもう1回チャンスがある」と森ヘッド。あくまで岩瀬には例年通り肩を作らせていく方針だ。そして、緊急時に備え、浅尾と高橋にも、岩瀬の代役として万全の準備をさせるつもりだ。

 すべては4年ぶりのV奪還を勝ち取るため。岩瀬か、浅尾か、高橋か-。今年の勝ち試合は、常に万全の状態のストッパーが締めくくる。【福岡吉央】

 [2010年1月19日10時9分

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