19年ぶりVに手応えあり!

 23日、広島松田元オーナー(58)が廿日市市の大野練習場での合同自主トレを初視察した。選手会長の石原慶幸捕手(30)や大竹寛投手(26)ら主軸選手を中心にまとまった一丸ムードに、同オーナーも「今季はやってくれそうだ」と91年以来のリーグ制覇に好感触。新生野村カープへの期待感をさらに高まった。

 松田オーナーは積極的に動いた。選手のキャッチボールが始まるとグラウンドに姿を現し、新人選手らの動きを確認。屋内練習場のブルペンで投手陣が投げ始めると、ネット裏に場所を移し、腕組みしながら熱のこもった視線で各投手の投げ込みを見守った。

 11日には新人の合同自主トレを視察したが、チーム全体の合同自主トレを見るのはこの日が今季初。同オーナーが自主トレ視察を複数回すること自体が異例のことだ。それだけ今季への期待は大きい。

 約2時間、しっかりと見て回った同オーナーは満足げ。「全体のムードがいいね。石原や大竹たちがリーダーとなってやっている雰囲気だ。選手たちがひとつになってやっている感じ。もっとゆったりとしたムードなのかと思っていたけど、違ったね」と笑顔で話した。

 目についたことも多かった。昨季10勝を挙げた大竹の練習への取り組み方を見て、その精神的成長を感じたという。「本人は自覚していないかもしれないが、リーダーっぽい雰囲気が出ている。ノックを受けているときでも、みんなを盛り上げようとしていた。今年は昨年以上にやってくれるんじゃないかと思ったよ」と投の柱を絶賛した。

 また、新人選手の動きも「全体的にいいのでは」と評価しつつ、2年目の中田廉投手(19)のブルペン投球を見て「ちょっとびっくりした。体が大きくなったし、すごくいいボールを投げていた」と若い才能の萌芽(ほうが)にも目を奪われた。

 広島は91年以来リーグ優勝がない。12球団で最も優勝から遠ざかっているチームだが「今季はやってくれそうな期待感がある」と自信をふくらませた。19年ぶり悲願のVへ、カープの総帥は確かな手応えをつかんだようだ。【高垣

 誠】

 [2010年1月24日10時55分

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