<阪神11-1オリックス>◇27日◇安芸

 そんなん、ボールが飛ぶだけよ…。オリックス岡田彰布監督(52)が古巣相手の注目の初陣で、1-11の完敗を喫した。先発平野が3回7失点と炎上するなど4投手が全員失点、計5被弾。守りの野球を掲げる新監督が初の対外試合で苦いスタートを切った。

 「悪いところが出たいうても、打たれたからそうなっただけの話やんか」。第1声では余裕の笑いを見せた元虎将。敗因は誰の目にも明確だったが、試合中から違和感を感じていた。2年前までの愛弟子の打球が、目の前でいとも簡単にサク越えしていく…。

 「飛ぶよなあ。ミズノに変えて飛ぶようになったわ。ミズノは伸びるよ。鳥谷のもそうやけど、桜井のとか伸びたよな」。阪神は今年から使用球を、球界で最も「飛ぶ」といわれるミズノ社製に変更。もちろん、本塁打を打たれたのは投手が原因で、自軍も条件は一緒。試合前には「打たれてもいいから、かわさずに勝負しろ」と投手陣に指令していた。それでも、あまりの猛打が元指揮官の目には妙な光景に映った。

 プロ入り以来、29年間着続けたタテジマを初めて敵に回し、試合前はほぼ全選手からあいさつを受けた。オリックス監督に就任してからは「矢野がほしい」「今岡をさらし者にするな」「阪神より優勝できる確率は高い」などと発言し阪神との対決ムードが高まっていた。その“発信源”として注目の初戦大敗が悔しくないわけがない。執拗な「ボール発言」は、負けん気の表れだった。

 28日にはオリックス主催で第2ラウンド。どう反撃に出るか、目が離せない。

 [2010年2月28日12時36分

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