<日本ハム3-5ソフトバンク>◇20日◇札幌ドーム

 ソフトバンク杉内俊哉投手(29)が2年ぶり2度目の開幕投手で初勝利を挙げた。「勝ってよかった」。日本ハムを6回8安打3失点に抑え、チーム現役単独トップとなる通算80勝目。シーズン初登板は9戦7勝の無敗で“不敗神話”も守った。

 好調ではなかった。直球は浮き、決め球のチェンジアップも精度を欠いた。2年連続の奪三振王もマークした三振は4個。3回に1点を失うと、4-1の6回には中田の2点適時打で1点差とされた。さらに1死二塁のピンチを迎えたが、金子誠を一ゴロ、田中を遊ゴロに仕留めリードを守り抜いた。「粘りに粘った。思い切り力んでたけどね。(打線に)4点もらったから、それまでに抑えようと思って投げた」と話した。

 ダルビッシュには対戦6試合目で初勝利。元エースの斉藤を抜く通算80勝目に「素直にうれしい。節目だしね」と喜びもひとしおだった。11日の千葉マリンで、右肩リハビリの近況報告に訪れた斉藤からロッカー室で呼び止められた。調子を聞かれ「絶好調です」と答えた。数年前までは登板翌日に必ずメールがくるなど数え切れない助言を受けてきたが、今や新エースとなった左腕にもうアドバイスは必要なかった。

 今季中に通算「100勝」の目標まで残り20勝。頂点を目指す1年が始まった。【太田尚樹】

 [2010年3月21日9時10分

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