広島が20日からの阪神3連戦(甲子園)に備えて19日、マツダスタジアムで練習を行った。前日18日に阪神金本の連続フルイニング出場が途切れたばかり。20日以降、金本は「代打の切り札」として控え、勝負どころで登場する。20日に先発予定の斉藤悠葵投手(22)や21日に先発する前田健太投手(22)も警戒を解かず、全力で封じる意気込みだ。3連勝の勢いで、虎退治に臨む。

 大看板の4番打者がスタメン表から消えても、脅威なのは変わらない。今季初めて3連勝中の広島は、20日から阪神戦のため甲子園に乗り込む。金本は先発出場しないが、カープにとって、決して有利に働くわけではない。先陣を切る斉藤は、表情を変えずに言い切った。

 「変わらずに、相手どうこうよりも自分の投球をしないといけない。やることは一緒です。低めにしっかり、力強い球を投げたい」

 油断はない。今季初登板だった3月31日阪神戦(マツダ)では、金本に右腕1本で運ばれ、右翼席に今季1号弾を献上していた。昨季もシーズン初登板だった4月8日に甲子園で2アーチを食らって、壮絶にKОされており、まさに天敵中の天敵なのだ。金本は痛めた右肩の状態が万全でないため、当面は「代打の切り札」として大一番での起用が濃厚。だからこそ、警戒を解くわけにはいかない。

 今季2勝を挙げ、リーグ2位の防御率2・03を誇る前田健も21日に登板予定。安定感随一の若手右腕も「存在は大きい。打ってなくても、いつ打たれるか分からない。投げていて嫌な打者だし、嫌なイメージです」と話した。昨季、1勝3敗で防御率5・14と分の悪かった阪神と今季初対決。金本にも対戦打率3割7分5厘、1本塁打を浴びており、どんな状況であれ真っ向勝負を挑む構えだ。

 チームは本拠地で、強敵中日に3連戦3連勝して上昇気流に乗る。大野ヘッド兼投手コーチも「先発が試合を作ってくれている。いままでが、うちの投手の力を出し切れていなかっただけ。前回とは違う」と手応えを口にする。阪神と戦った3月30、31日はいずれも序盤に大量失点して連敗した。同じ失敗を繰り返さない。ジョーカーの金本を封じ、上位浮上の足掛かりを築く。【酒井俊作】

 [2010年4月20日12時12分

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