<ソフトバンク6-11西武>◇22日◇福岡ヤフードーム

 ソフトバンク和田毅投手(29)が“異変”に見舞われた。自身4連勝を狙った西武戦は10安打8失点と7回途中でKO。まさかの今季ワースト失点と炎上した。本人は言い訳にしなかったが、試合前練習に遅れて姿を現すなど体調の異常もうかがわせた。チームは今季負けなしだった「ハッピー木曜日」に初黒星。3カードぶりの負け越しで、またも「貯金3の壁」を越えられなかった。

 顔をしかめてベンチに座り込むと、和田は頭を垂れてうなだれた。地面を見つめて悔しさをかみ殺す。7回途中10安打8失点で降板。3連勝中だった左腕の信じられない姿だった。

 和田

 自分の責任で、本当にみんなに申し訳ないことをした。

 異変は登板前に始まっていた。午後2時開始の試合前練習に背番号21の姿がない。ようやくグラウンドに出てきたのは同3時20分。右手で背中を押さえるしぐさも見せていた。ダッシュで外野へ向かうと、高山投手コーチがつきっきりで見守る前でキャッチボールして状態をチェック。先発回避という最悪の事態に備えて、24日先発予定の小椋もブルペンで準備していた。

 何とか登板にはこぎつけた和田だったが、本来の投球には遠かった。ジキルとハイドのように、イニングごとに好不調の波が来る。初回は球威と制球を欠き、3本の適時打を浴びて3点を先制された。2~3回はともに3者凡退に封じたが、4回に1死満塁から細川に走者一掃の二塁打を許して再び3失点。味方打線が同点に追いつき、6回を3者連続三振で抑えて迎えた7回、1死一、二塁からブラウンに勝ち越し適時打を許して力尽きた。

 試合後は「体調はまったく関係ない」と言い訳しなかった。アクシデントがあっても110球を投げ抜き、意地は見せた。秋山監督は「何かあったらもっと早く代わっている。来週?

 大丈夫だよ」と無事を強調した上で「7回で打たれたのが痛かった。いい回と悪い回がハッキリしていた」と悔やんだ。

 和田の降板後はリリーフ陣が崩れる「負けパターン」で計11失点の大敗。3カードぶりの負け越しで、5度目の「貯金3」挑戦も失敗。前日21日に今季3戦全敗だった「魔の水曜日」で待望の白星を手にしたばかりだったが、逆に同3戦全勝だった「ハッピー・サーズデー」で手痛い黒星を喫した。【太田尚樹】

 [2010年4月23日11時32分

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