<阪神9-4巨人>◇1日◇甲子園

 巨人と浜風を同時に切り裂いた。マット・マートン外野手(28)が、3点リードの4回1死一塁で星野の外角球を右方向に打ち返した。

 「強い風への意識はなかった。とにかくボールを打てば何かが起こる可能性がある。強く振ることだけを考えていたよ」

 右翼から左翼に流れる浜風の影響を最も受けにくいと言われる右翼ポール際に打球が飛び込んだ。一塁ベースを回って着弾を確認すると、両手をポンとたたいた。リードを広げる5号2ラン。これで今季の本塁打は5本中4本が巨人戦と、恐るべきジャイアンツ・キラーぶりだ。

 長打力もある切り込み隊長は繊細な性格だ。2月キャンプでは沖縄と高知に大好きなプレイステーション3の本体を持参。「サッカーでも野球でもゲームが好きだ」という元メジャーリーガーだが、飛行機に乗る際には衝撃を吸収するリュックサックにゲーム機本体を入れて、わざわざ手荷物として機内に持ち込むきちょうめんさだ。リスクに備える姿勢が、日本球界での活躍にもつながっている。

 この日は“先輩”ブラゼルとのアベック弾で巨人を粉砕した。ブラゼルとマートンのBM砲がそろい踏みした試合はこれで3戦全勝。げんのいい数字に「本当かい!

 そいつはうれしいね。2人でこれからも続けていかなきゃいけない」とマートン。2日、今季初の同一カード3連勝に貢献して「赤毛のGキラー」を襲名する。【益田一弘】

 [2010年5月2日11時12分

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